雪の夜、未破裂脳動脈瘤持ちは家路を急がない

夜の雪のイメージ

昨日、「雪が酷くなる前に」と帰宅して在宅で仕事をするべく15時すぎに事務所を出た。電車は既に多少遅れていたけれどまあまあ動いていた。
でも乗換駅ではその時間にも結構な人出で、妻にメッセンジャーで連絡したら会社によっては早上がり指令が出ているとのこと。なるほどそれでか。

自宅最寄り駅に着いてタクシーに乗ろうと思ったら当然長蛇の列。それでもまあ1時間くらいで乗れるだろうとタカを括っていたがこれがとんでもない。結局3時間待った。
頻尿のぼくが3時間もの間尿意をもよおさなかったのは奇跡に近い。トイレにでも行こうものならまた並び直しになってしまうよな、と考えただけで冷気の上さらに背筋が寒くなった。

いや、タクシーが乗り場にやってくる間隔が異常に長いんです。ひどいときには20分に1台ペースでしか来ない。
バスは頻繁に出入りしてるのになんでここまで来ないかな、来なさすぎだろと不審に思う。

ぼくはいつもなら雪や大雨の日はゴアテックスブーティー入りのワークブーツを履くんだけど、一昨日の天気予報でさんざん注意喚起されていたのに甘く見て普通にスニーカーで出かけていた。
そのせいで、待っている間に足指の感覚がなくなってきた。身体は震え、歯も鳴りはじめ、手袋を外すと手がかじかんでiPhoneの操作もままならない。
両足の甲にはそれ用の貼るカイロ、腰にも小さめの貼るカイロ、さらにダウンのポケットには貼らないカイロと、全身カイロまみれなのに彼らはほとんどその能力を失いつつあり、ガタガタ震えながらこういう寒さだと血圧はどうなるんだろう?やっぱ上がるよな、と考える。

寒さのあまり脳動脈瘤が破裂する

なんてことはあるんだろうかフと思った。
「あなたはどう思いますか」と誰かに聞きたかったけど周りは知らない人ばかりなのでやめた。

それから、

直前に風邪とかひいたら手術は延期するかんね。

という主治医の言葉が脳裏をよぎる。
おれはここで風邪をひくわけにはいかんのだよ。

うちのクルマはスタッドレスも履いていないしチェーンの用意もないので、いつものように妻に迎えに来てもらうこともできず、バス待ちの列に並びなおす気も起きず、もう今さら歩いて帰る気も起きない。
というよりも、既に20cmくらい積もっている中、普段だと15分のアップダウンやら階段やらのある通勤路をスニーカーで帰ることはできない。
いややってできないことはないが、足の冷たさにやる気がおきない以上に転倒が怖いのです。

滑って転んで破れて昇天

というふうになるわけにもいかんのだよ。

そうこうしているうちにようやく自分の番が来てタクシーに乗ったけど、スタッドレスは履いているがチェーンは付けていないパターンのクルマだった。
行き先を告げると運転手さんが「すみません、坂道登れないかもしれないです」って。「え?夏タイヤじゃないですよね?」って思わず訊いてしまった。
駅から自宅までのクルマ路はまあまあ坂道があるのです。これに差し掛かると、結構な積雪なので運転手さんがフルスロットル近く踏んでもなかなか登らない。しかも左右にも滑る。
なるほどタクシーがなかなか来なかったのにはこういう理由もあるのか、と思った。
ようやくえっちらおっちら自宅そば。そこに10mほど登ればいいだけなんだけどかなりの急坂がある。流石にその勾配は無理と思ったので坂下で降りて雪を踏みしめ帰宅した。

15時すぎに事務所を出たのに帰宅したのは結局20時半近く。

靴下を脱ごうとしたらびっしょり濡れていた。すぐに風呂に入ろうとまず足先にお湯をかけたらこれが結構痛かった。それほど冷え切っていたということ。

風呂に入るとき、えーと、少しづつ慣らせば温かくなるぶんには血圧には問題ないよな、と、

どこまでも血圧を気にするのは未破裂脳動脈瘤持ちの性なのであった。