誕生日プレゼントには

手をつなぐカップル

1月は妻の誕生月だった。
毎年クリスマスと誕生日と結婚記念日にはささやかながら何かプレゼントすることにしている。
プレゼントというのは「何がほしい?」と尋ねるのは野暮だ、何をあげたら相手が喜んでくれるかと考える気持ちが大事だ、と考えてはいるものの外してしまうときもあるから、どうにも考えあぐねた場合は訊くのもしょうがないかなとも思う。

それで年が明けたころ「何がほしい?」と尋ねてみた。

妻の答えはどんなものだったと思いますかあなた。

今年はモノは要らないよ。
無事退院してくれることがプレゼントでいい。

だってよ!

ダハッ!

ちきしょう参っちゃうねこりゃ!

ええ?おい!

率直に言えば、妻自身体調に不安を抱えているので、ぼくがいない間に酷いことになったらどうしようと思っているところもあると思う。妻の心情としてはそれはやむを得ない。自分のことを考えるのは人間としてそもそも至極自然なことだ。
それに去年暮れくらいからちょっと別のことで普段より少し出費が多かったこともあるし、手術入院費用のこともあるし、そうした家計的なことへの配慮・遠慮というのもあるだろう。
そんなこんなのいろんな意味でこの台詞が出てきたんだろうと思う。
だからこの答えが純生搾りたて高密度200%夫婦愛からきたものとは考えていない。
流石におれもそこまでピュアじゃない。

だけどだけど、それでも嬉しいではないですか。
妻自身への不安からの言葉にしても、経済的な配慮からの言葉にしても、いや、であればなおさら心配や面倒をかけてすまないなと思うじゃないですか。
たとえそれがその言葉50%だったとしても、ああこのひとはおれに愛情を抱いてくれていると思うじゃないですか。
というかそう思うべきだ。

芝居がかっている、クサい、バカめ、いい歳したオッサンが何書いてんだと笑わば笑え。
おうよ、好きなだけ笑うがいいさ。

だがおれは笑われようが呆れられようが、

妻へのプレゼントは必ず持って帰る。