5万円の男:手術後に脳動脈瘤はどうなったか

切れた鎖

退院前日に撮った造影CTの画像をもらった(ていうか買った)のでその一部を晒す。
主治医はこれも見ながら手術やその後の経過について詳しい説明をしてくれた。

まずは頭皮と頭蓋骨

どのように開頭されたか、を見る。

既に縫合痕の画像を載せているように、右耳の前つまりこめかみのあたりから緩いカーブを描いておでこの真ん中近くまでのおおむね20cmくらいの頭皮が切開された。
ホッチキスの針が写っているが、結構ガッツリと留まっている。この状態からすると抜鈎時のチクッチクッとした痛みはむしろ軽いものであることがわかる。

造影CTの画像(2018/2/13)

横から見たところ。切開・縫合がどういうラインになっているかがよくわかる。

上の画像、向かって左に一個だけホッチキスが見える。
手術中に頭が動かないように三箇所ほど頭蓋骨に達する深さまでピンで固定されるが、場合によってはその部分も縫合の必要がある。それだ。

頭蓋骨のどのくらいの範囲が取り外されたかもわかるし、戻した頭蓋骨を固定するチタンプレートも見える。

造影CTの画像(2018/2/13)

正面から。外した頭蓋骨がなんとなくわかる。戻した頭蓋骨を留めた金具やホッチキスが見える。

クリップの存在感

次に割切りCT画像を見る。
下図は首の方向から見たもの。向かって左側上部に白いものが横たわっているがこれがクリップ。

造影CTの画像(2018/2/13)

頭蓋骨のスライス。首方向から見ているので左右反転している。白く浮かび上がっているのがクリップ。

チタン製、一本5万円也。
昔「600万ドルの男」っていう「バイオニック・ジェミー」の男性版のドラマがあったけれど、

おれはこれで「5万円の男」になったわけだ。

各種サイズが取り揃えられているようだけど、ぼくのは全長20mmくらいのもの。
7mmの動脈瘤を留めるとなるとそれくらいの大きさになる。死んで火葬されて骨になって出てきたとき、こいつらもポロンと出てくるんだろう。

これは余談だけど、主治医との雑談の中で、コイル栓塞術の方が材料的な意味でのコストは高くつくという話があった。
コイル自体が髪の毛の何分の一だか何十分の一しかない細さのプラチナ製の糸で、これが一本おおむね10万円。それを数本使うのが普通なのでコイルだけで数十万円。
それにクリッピングよりも術後経過の観察頻度が高く、血液をサラサラにする薬の継続的服用も不可欠で、下手をするとほどけて飛び出てくることもあるらしい(ステントを併用すればその確率は下がるが)から、

クリッピングの方がコスト・パフォーマンスは高い

と言えるかもしれない。

造影CTの画像(2018/2/13)

顔の正面から見た図。黄緑色のものがクリップ。

画像はほかにもあるんだけど、わかりやすいのがこの二枚。
クリップ留めされている部分の詳細が見えづらいが、以前のプクっとしていた部分が完全に隠れていることがわかる。

造影CTの画像(2018/2/13)

顔の正面から見た図。血管のみを抽出したもの。黄緑色のものがクリップ。他の角度から見ても動脈瘤を摘まめている。

MRA画像:脳動脈瘤の位置

2016年12月の脳ドックにおけるマイ動脈瘤のMRA画像(顔正面から見たところ)

これでひとまずおれの未破裂脳動脈瘤は

キッチリ始末された。

呪縛を断ち切った

破裂しない限り何の問題もないが破裂すると大変なことになりいつ破裂するか誰にもわからない無症候性未破裂脳動脈瘤。

どういう統計かわからないが年間破裂率は1%と言われる。その確率が高いのか低いのかもよくわからない。気をつけていれば無事に(いや、脳動脈瘤の存在に気づかないまま)天寿を全うする可能性の方がむしろ大きいとも言える。

だけど、何もしなければ破裂する可能性はどこまでいっても決してゼロにはならない。

クリッピングを行うことによって、それをゼロもしくは限りなくゼロにできたということ、破裂リスクという呪縛から解放されたことを、これらの画像で確認できたわけだ。