かもしれない

脳と医師のイメージ

先日、未破裂脳動脈瘤始末筆者というユーザー名でTwitterのアカウントを作った

「このブログへのアクセスを増やしたい」という目的ならもっと早い段階でやっておきたいところだった。
でも、まあもう少し見てもらいたいというのは正直ありはするけれど、未破裂脳動脈瘤なんていう超ニッチなテーマだし、なんだかんだで後回しにしていた。

今後ブログの更新頻度はガクンと落ちるから、シェアしたい投稿をツイートするというよりは(だからぼくのアカウントをフォローする価値はあんまりないです)、ブログのネタ探しも兼ねてどれくらい/どんな「未破裂脳動脈瘤」とか「脳動脈瘤」に関するツイートがあるのかなと思って。

興味のあるツイートがあればリツイートしていく。

で、早速ひとつ興味深いツイートを見つけた(ちょっと古いツイートだけど)。

出典元の「Stroke」とはどうも「National Stroke Association」のことのようだ。
ざざっと見ただけなんだけど、「全米脳卒中学会」と訳せばいいんだろうか(日本には「日本脳卒中学会」があり、ここで「Stroke」を使っているから)。
また「(Stroke 2015;462452)」とあるから、どうやらこれは2015年にリリースされたものらしいが、データ自体は2000年から2010年の間のもの。

グラフを見る限り比較的単純なデータだと思う。クリッピング/コイリングいずれかの方法で未破裂脳動脈瘤を処置した人の数とSAH(くも膜下出血)を発症した人の数の推移だから、調査方法がどうのという話はあまり関係なさそうで、然るべき機関による調査結果でもあることから結果の信頼性は高いんじゃないだろうかと思われる。

もちろん、2011年以降どうなったかはわからないし、このデータはアメリカのものと思われるので、「日本でどうか」ということはわからない。日本脳神経外科学会のサイト脳神経外科疾患情報ページも含めて探せばどこかに日本のデータもありそうだけどそこまでやる気はない。ご興味のある方は探してみてください。

ここで重要なのは、少なくともこの統計をとった時期・期間においては、

破裂する動脈瘤が十分に見つかっていない可能性がある

という点。

ここでいうくも膜下出血の原因のすべてが脳動脈瘤破裂によるものかどうか不明だ。でももし脳動脈瘤破裂によるものが多いとするならば、それだけ未破裂脳動脈瘤の存在を知らずにクモ膜下出血を発症する人が多い(アメリカでは)ということが言えそう。

ちなみに日本において1年間にくも膜下出血が原因で亡くなった人の数は、厚生労働省の「平成28年(2016)人口動態統計(確定数)の概況」によると12,318人(過去数年分の数字をざっくり拾ってみるとどうも増えてはおらずほぼ横ばいのように思える)。

もちろん、どこにどんな未破裂脳動脈瘤があろうが、それを知ろうが知るまいが、何事もなく天寿を全うする人も多いと思う(年間破裂確率1%なら年間未破裂確率99%だし)。

未破裂脳動脈瘤があるかもしれないし、ないかもしれない。
未破裂脳動脈瘤があっても一生何も起きないかもしれないし、くも膜下出血を起こすかもしれない。
それは死ぬまで、死ぬ瞬間までわからない。あるいは死んでもわからない。

この「かもしれない」にどう対処するかは個人個人の考え方による。

でも「未破裂脳動脈瘤があっても一生何も起きないかもしれないし、くも膜下出血を起こすかもしれない」は誰にもわからないが、「未破裂脳動脈瘤があるかもしれないし、ないかもしれない」はその気になれば誰にでもわかる。
未破裂脳動脈瘤がなければそれでいいし、あればあったで「クモ膜下出血を起こすかもしれない」に対処のしようがある。

脳ドックをたまたま受けただけのくせにこう言うのもやけに偉そうだけど、いずれも無症状のことがあり、かつ死の確率がゼロと言い切れないが早めに発見すれば手の打ちようがあるという共通項があるわけだから「がん検診は受けるのに脳ドックは受けない」という理由はないんじゃないかと思う(受ければ脳梗塞や認知症などの兆候もわかるし)。

「かもしれない」への2件のコメント

  1. 1
    SHU says:

    脳ドックはまず費用が壁になるでしょうね。
    あと聞いた話、医者(脳外科医以外)ですら、脳ドックは受けたくないとおっしゃる人もいます。

    私が通っているクリニックでも脳の画像は見たくないそうです。
    いわく「脳が委縮してるとかいわれるの、嫌じゃん」だそうですw
    CTやらMRIが登場したころを鮮明に覚えているのですが、まだまだこの分野は歴史が浅いのでしょうか。

    余談ですが、結構前のことだったかと思うのですが、ゴッドハンドで有名な福島ドクターが教え子にご自身の脳内画像を撮らせてテレビ公開されてました。
    「すげぇ、30代の脳だ」と教え子の方々が驚いてらしたのが印象的でした。
    脳外科医って脳年齢を若くする方法をご存知なんですかね。血管を写しだしたのか脳だけだったのか、記憶にないのですが・・・。

    • 1.1
      筆者 says:

      SHUさん、こんばんは。
      医者の不養生ってやつでしょう。
      「かもしれない」にどう対処するかは人それぞれですね。
      何万円も出した上に嫌な結果が出たら嫌だっていう気持ちもわからなくはないです。